事業紹介

整形外科インプラントとは

運動器(身体運動に関わる骨、筋肉、関節、神経などの総称)疾患のうち、主に骨の治療に対して用いられる医療機器で、人の身体に埋め込む人工物のことをインプラントと言います。整形外科領域においては大きく①人工関節、②脊椎固定システム、③骨接合材料の3つに分類できます。それぞれ以下でご説明します。

人工関節

人工関節は変形性関節症や関節リウマチ等の病気により変形もしくは破壊された関節に対し、本来の機能を再獲得させるために用いられるインプラントです。人工膝関節、人工股関節など、ほぼ全ての大きな関節に対して、適応可能なインプラントがあります。変形した部位をインプラントに置き換えることで痛みが除去され、日常生活での活動性(ADL)が高まり、QOL向上につながることが期待されます。
主な材質として、チタン合金、コバルトクロム合金、セラミックス、ポリエチレンなどが使われております。素材の品質向上や技術の進化により、製品の耐用年数が伸びたことで、従来よりも若年の患者様にも使用できるようになり、これまで以上に患者様の症状に合わせた治療方法を選択いただけるようになりました。

図:人口膝関節置換術
図:人口股関節置換術
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脊椎固定システム

脊椎固定システムは、脊椎(背骨)の病気である脊柱管狭窄症や脊椎の腫瘍・骨折の治療を行う際に、脊椎を適切な位置で保持するために用いられるインプラントです。多くの症例ではインプラントを使用せずに治療を行いますが、患部の状態や手術で骨を削ったことにより脊椎が不安定になる場合には、インプラントを用い脊椎を適切な状態に戻して固定します。
インプラントの主な構成品は、背骨(椎体)に挿入するペディクルスクリューとスクリュー同士をつなぐロッドから成り立つペディクルスクリューシステムと、椎間板のスペースに挿入する脊椎ケージが代表的なものとなります。

図:脊椎固定システム
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骨接合材料

骨接合材料は、骨折した骨を元の正常な位置に整復した後に、骨折部を固定するインプラントです。スクリューやプレート、髄内釘と言われる骨髄(骨の中心部にある組織)内に挿入するインプラントなどがあります。骨折部を固定することで骨折部の除痛や骨癒合(骨がつくこと)を促し、早期リハビリ・早期社会復帰に貢献します。
また、主に骨折後に変形して骨癒合してしまった患部の矯正手術のために、一人ひとりの患者様の骨の形に合うように三次元造形されたカスタムメイドの器械やインプラントなどもあります。

図:大腿骨頚部骨折
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周辺技術

技術の進歩に伴い、手術中に使用される機器も進歩しております。例えば、整形外科手術用ナビゲーションシステムでは、患者様の骨の位置を赤外線カメラでリアルタイムに認識し、骨を切る方向や人工関節の設置方向を示すことができます。従来のマニュアル手術では目視により骨切り角度や位置を医師が判断します。しかし、肥満・筋肉質の症例などの場合には骨の向き・位置を正確に把握することは困難なことがあり、このようなときには特にナビゲーションシステムが役立つと考えられます。

人工股関節用インプラントのナビゲーションシステム設置画面